

今回は2020年11月1日をもって引退した新京成8000形について、大変遅くなりましたが管理人なりの雑感を述べてみたいと思います。
まず1978年(昭和53年)12月に登場した1次車の8502編成は、まだピンクとエンジのツートンという従来の車両と同じ塗色でしたが、京成から譲渡された青電や、新味のない800形に比べ冷房装置の搭載や両開き扉であることが斬新で、まさに夢のような車両でした。
その頃まだ子供だった管理人は地元の私鉄にそのような新車が導入されることがとても嬉しく、登場前から何度も乗車した夢を見たものです。
そして就役後わりとすぐに乗車してみたところ、内装は冷房装置や扇風機の形状も含めて京成3500形とあまり変わらないと思いつつ、親会社並みの車両が出てきたことにとても感激しました。
📷100形124と並ぶ登場直後の8000形1次車8502/1979年頃/新津田沼駅

しかしそうはいっても現実にはあくまでも新京成としては新しいというだけで、制動装置が800形までの自動ブレーキから進化はしたものの、抵抗制御のままで回生ブレーキ無しのHSC-Dになったにすぎず、それ以外にも台車の空気バネ化が見送られたり一段下降窓の非採用など、当時の新型車両の水準からするとやや物足りないような印象があったものです。
ただ1次車の登場からほぼ1年後に増備された2次車の8504編成ではベージュ色の車体にブラウンの帯というそれまでの新京成にはなかった新塗色が採用され、個人的にはそのカラーが非常に優れたものに感じられ、当時大半の車両が真っ赤っかだった親会社の京成よりもぜんぜんセンスがいいと思ったものです。
それから間もなく1次車についても2次車と同じカラーに塗り替えられました。
📷2次車以降のカラー(画像は8516ほか6連)/2001-06/初富駅

その後1981年(昭和56年)6月に増備された3次車の8506編成が回生ブレーキ付の界磁チョッパ車とされたのは大きな進化だったといえるでしょう。
通勤型車両への界磁チョッパ制御の導入は親会社の京成よりも1年ほど早かったことになります。
そしてこの8506編成からは下枠交差形パンタグラフが1両に2基搭載され、それにより抵抗制御車と界磁チョッパ車の識別が容易でもありました。
このように3次車までは結構大きな変化があった8000形ですが、4次車以降は3次車と同じ内容のまま1985年(昭和60年)9月まで増備が続けられ、トータルで6両編成9本54両が製造されています。
その後8000形が大きな変化を迎えたのは21世紀入ってからで、2001年にはトップナンバーである8502編成が登場時のカラーに復元されました。
またこの8502編成の車体には新京成のキャラクター「しんちゃん」のステッカーが貼られ「しんちゃん電車」として人気を博しています。
📷復元された直後の8501ほか6連/2001-06/初富駅

そして2002年あたりより全車の先頭車前面にスカートが設置され、見た目の印象に変化が生じました
さらに2006年には全編成が京成千葉線へ直通するための改造が行われ、それに伴い側面の帯がN800形と同じものに貼り替えられましたが、個人的にはあくまでもそれ以前のオリジナル色のほうがよかったと思ったものです。
📷京成千葉線直通改造化後の8513ほか6連/2016-03/千葉中央駅

一方、8000形の京成千葉線直通に際しては京成車両との加速性能の差が生じることになったため、8000形の制御装置をIGBT素子のVVVFインバータに改造することとし、まずは8510編成がVVVF化され2008年3月末より営業運転が開始されました。
その後も2010年11月までに8512・8516・8514・8518編成の順で改造が行われ、合計5本がVVVF化されています。
VVVF化されなかった4本は廃車対象とされ、まず2011年3月に2次車の8504編成が除籍されました。
さらに2012年1月にはトップナンバーの8502編成がリバイバル色のまま廃車されたのに続き、同年10月には8508編成、翌2013年2月には8516編成がそれぞれ除籍されています。
2014年になると早くもVVVF改造車の廃車も開始され、まず最初に対象となったのが2014年1月の8506編成でした。
その後もほぼ2年毎のペースで廃車が進行する中、2017年4月には8518編成がホワイトとピンクの現行カラーとされましたが、個人的にはもともと理解できなかったその新カラーが8000形にも波及し、それほど不自然で似合わないものはないと思ったものです。
ただ今になってみれば、8000形では結局4種類ものカラーを楽しむことができたわけで、その点ではたとえ1本のみでも現行カラーとされたのはよかったのではないかとも思えたり・・・
📷現行カラーとされた8518編成/画像はWikipediaより

その一方で8512編成については2017年6月に2次車で初採用されたベージュ地に茶帯のカラーが再現され、久しぶりにそのカラーを目にして、やはり歴代の新京成車両としては一番の色だとつくづく感じたものです。
📷2次車の当初カラーが再現された8512編成/画像はWikipediaより

そして時代は2020年代に入り、2020年1月14日には現行カラーとされた8518編成が廃車され、さらに冒頭でも述べたように翌2021年11月1日をもって最後まで残っていたリバイバルカラーの8512編成が営業運転を終了し、これをもって初登場からおよそ43年間に渡る新京成8000形の活躍が終了しました。
ちなみに8000形の車体は京成赤電に似ていたものの、両端にある側扉が赤電よりも連結面に寄っているなど窓配置が異なっていました。
また前面は赤電ではあり得ない非貫通タイプで「くぬぎ山の狸」などとも呼ばれるようなとても愛嬌のある顔立ちをしており、その点が新京成独自のオリジナリティがとくに感じられる部分であったともいえるでしょう。
そして走行音に関してですが1・2次車の抵抗制御については京成赤電よりも明らかに静かだったと記憶しています。
800形と同様、どちらかというと営団6000系に近い音だったといえるかもしれません。
3次車以降の界磁チョッパ車も、京成3400形や3600形が放つような起動加速から中速域ぐらいまでの界磁チョッパ特有の大げさな音がせず静かでした。
それから昔のWN駆動車は京成赤電や3500形、営団5000系などのように高速域になると悲鳴をあげるものがありましたが、新京成8000形にはそれがなく、その点も静かな印象に拍車をかけていたのでしょう。
ただしやはり昔のWN駆動特有の高速域における身体が痺れてくる振動は8000形にもありました。
新京成線内の通常の最高速度程度ではまったく気づかなかったものの、一度遅延による回復運転のため初富から鎌ヶ谷大仏までの直線区間で速度をかなり上げた際に感じたほか、京成千葉線への直通運転開始以降はほとんどの駅間で体感できるようになったものです。
あと今は線路の状態がよくなったので空気バネ車との乗り心地の差は小さくなったものの、金属バネ台車という点でも貴重な車両でした。
8000形の引退により京成グループの気動車を除く営業車両から金属バネ台車が消滅したことにもなるでしょう。
また800形とほぼ同タイプの台車だっただけに、乗り心地も800形と大きな差はなかったものと思われます。
📷8000形の先頭車が履いていたFS329S1

なお個人的には8000形とのお別れや記録もできないまま廃車となってしまったことが悔やまれてなりません。
ほとんど把握することがない中で引退時期を迎えてしまったことはまったくの不覚でした。
そもそも空いている電車を好む管理人は、新京成で8両編成が運行されていた時代に6両は避けて乗車していたので、おのずと8000形に乗る機会はほとんどなかったといえるのですが・・・
かといって2014年9月30日に全編成が6両編成に統一されてから8000形に乗る機会が増えたかといえば、その時点ではすでに8000形が残り4本にまで減っていたため乗車チャンスがなかなかなかったことに加え、管理人自身8両をなくした新京成に腹を立てたため利用する機会自体がかなり減ったこともあり、乗った記憶はほとんどないという始末です。
従って8000形に最後に乗ったのがいつだったのかも定かではありません。
まぁ80000形の就役により8000形がヤバそうなことはさすがに把握しており、なるべく早めになんとかしなければならないという思いはあったながら、東武アーバンパークラインが急行運転を開始してからはますます新京成を利用する機会が減り、最期の8000形に対する気持ちがついおろそかになってしまったというのが正直なところです。
個人的にはそんな悔いの残る8000形の引退となりましたが、今はYouTubeで多くの動画を永遠に見ることができるのがせめてもの救いだといえるかもしれません。
といったところで長年に渡り本当にお疲れ様でした!