

デジタルSR無線への改造工事で必要となる予備車として最後の1本となりながらも活躍を続けてこられたとされている都営5300形5320編成ですが、 2月23日の07Tでの運用を最後に、ついに引退となってしまいました。
都営5300形は京成3700形とほぼ同時期となる1991年(平成3年)3月31日に登場し、ともに従来の車両から大幅に進化したと感じられたものです。
とくに都営の場合はそれまでの5000形が非冷房で走行時に騒音や振動が酷いといったあまりにもお粗末な車両だったため、5300形は天国にような車両だったといっても過言ではありません。
その進化ぶりは5300形から5500形の比ではなかったのではないかと。
また内外装ともにデザインが素晴らしく、車内も当時最新の機器類が装備されており、5200形6連2本しかなかった冷房車の増加にも貢献といった感じで、増備が進み頻繁に乗れるようになることが嬉しくなるほどの車両でした。
ただしVVVFインバータ制御の磁励音については、京成3700形の音がわりとすぐに受け入れられたのに対し、都営5300形の音はかなり奇妙だと感じられたものです。
本当にその音は不思議な感じがしてならず、なかなか馴染むことができませんでした。
また登場から数年が経過すると、高速まで加速後ノッチオフした際にゴロゴロというような音と振動があまりにも大きくて驚かされたことがあります。
通常でもそのゴロゴロ音はノッチオフをすると多少発生するのですが、駆動装置の経年劣化あるいは整備状況によるものなのか、とても通常時の比ではなく少しガッカリさせられたり・・・
しかしそれ以降はそこまで酷い車両に当たることはありませんでしたが。
登場時から最後まで京成線内に乗り入れてくることが多かったので乗る機会も結構あり、それだけに馴染み深い車両でもあったといえるのでしょう。
京成では同期の3700形どころか昭和時代の3500形ですらいまだ健在であることを考えると、5300形もまだまだ使える車両だったと思えてならず、32年程度での全車置き換えというのは贅沢すぎてもったいないような気もするところですが、しかしかろうじて1本のみが予備車という形で残り、しかも予備車ながらもよく動かしてくれたことはせめてもの救いだったといえるかもしれません。
実は2021年9月に5500形の増備が完了した際、5300形最後の5320編成がすぐに廃車になるものだと思い、普段は撮り鉄の趣味がないのに5300形の場合は馴染み深い車両ということもあり記録に残したくて撮りに行ったのですが、やはり同じ考えの人が結構見られたものです。
その後もなかなか廃車にはならなかったものの、いつ引退になってもおかしくないという思いから何度か撮影に行ったところ、とくに休日に京成にやってくる運用に充当された5300形だと日中にもかからわらずラッシュ時並みに混雑していることもあるほどでした。
その頃はまだ予備車として運用が続いていることを知らず、やはり念のために撮影や乗車をしておく人が多かったのでしょう。
そして2月の引退時にいたっては23日を最後に運用されていないことは把握しつつも、それで廃車になったのかどうかはマニアの人でもわからなかったようで、それがハッキリとするのは「ありがとう5300形 都営まるごときっぷ」を限定発売することが公式発表された3月7日になってからのことだったようです。
30年以上に渡り活躍した車両がなくなるというのに、さよなら運転どころかヘッドマークの掲出もなく、おまけに運行最終日から10日以上も経過してからの引退発表とは、あまりにも寂しくあっけない幕切れとしか思えません。
しかし2018年11月に同じ都内の地下鉄である東京メトロ千代田線の6000系引退時に大混乱のうえパニックとなった前例があるほか、今現在にいたるまで一部鉄道マニアによる迷惑行為が繰り返され社会問題になっていることを考えると、もはや引退イベントなどを行わないほうがいいのではないかという気がすることも確かで、今回の都営の対応も適切だったように感じられます。
5300形が予想していたよりも長く活躍した分、管理人も含めそれだけ撮影や乗車する機会が多く持てることにもなったので、それで満足するべきでしょう。
それでは以下に画像と動画を掲載し終わりたいと思います。
都営5300形、これまで本当にお疲れ様でした!
📷都営5300形5320-8以下8連/ユーカリが丘駅/2022-04-09

📷京成3000形3038と並ぶ都営5300形5320-1/西馬込駅/2022-04-16

📷都営5300形車内


🎥都営5300形5320編成オリジナル動画