
すでに再三に渡って報じられているように、昨日19日午後6時10分ごろ、小田急電鉄の相模大野駅構内にて、車庫から出庫していた回送電車が脱線するという事故が発生し、事故現場付近の架線が破損し停電が起きたため、一時小田急全線で不通という、ちょっと考えられない事態になりました。
事故原因についてはまだわかっていませんが、ちょうど夕方のラッシュ時間帯めがけてこんな事故が起きようとは、利用客にとってはいい迷惑であると同時に、小田急側のミスであればちょっと呆れてしまうというのが正直なところです。
回送電車だったので運転手も含め負傷者が出なかったのは幸いだったものの、停電が起きただけに付近を走行中の電車はいきなり止まったわけで、室内灯が消えて薄暗く、空調も効かない車内で耐え忍んだ方も多かったことでしょう。
中には1時間半ほども閉じ込められていた乗客もいたとのことで、そのあたりの対応の遅さも問題あると思います。
また、当初は当日の午後11時までには全線で運転再開とされましたが、そんなことがとても無理なのは素人の目から見ても明らかで、現に当日中に再開されることはなく、翌日の始発からの運転再開をめざすということに改められました。
小田急といえば昔はエリート私鉄というイメージが強かったものですが、当ブログでも取り上げた2007年6月13日に東海大学前駅でドア引きずりによる死亡事故を引き起こして以来、信頼度が若干薄れた感があり、その後も乗務員のロマンスカー車内における信じがたい行為が発覚したり、さらに昨日の事故での対応によって、すっかりエリートとはほど遠いイメージになってしまった印象が否めません。
ただ、余談ながら小田急の車両は昔から非常時の脱出用にすべり台のようにして乗客が電車から降りられるように、分割のないロングシートを採用しているのは有名な話ですが、それが今回実際の現場で役に立っているのを初めて目にしました。
それにしてもここのところ京急の土砂崩れによる脱線事故をはじめとして、東急東横線における大雪の日の衝突事故、JR京浜東北線川崎駅構内での回送列車が作業用車両に衝突した事故、そして今回の小田急線の脱線事故と、東京の西側の鉄道で事故が多発している感じを受けるのですが、もうこれ以上起きないことを祈るばかりです。