
5日、JR東日本より成田エキスプレスに新型車両E259系を2009年秋以降に導入することが発表されました。(JR東日本公式PDF)
現行253系の一般車は当初ボックス式固定クロスシートで、高額なA特急料金を取る車両としてはあまりにもお粗末と言え、一部から“ボッタクリ特急”などと批判されたりしたこともあって、途中から集団見合い式に改造されましたが、それでもほぼ半数の座席は進行方向とは逆向きに座らなくてはならず、リクライニング機構もないなど、特急専用車両としてはまだまだ失格といった印象でした。
新型のE259系ではまずその座席が全車回転式リクライニングシートに改善されます。また、他のJR特急車両よりもシートピッチが広めに取られると同時に、先頭車へのアクティブサスペンションの搭載、全車体間へのダンパー(ショックアブソーバー)の搭載により、居住性と乗り心地がかなり向上しそうです。
さらに、制御装置のVVVFインバータ化により加減速性能がアップされるほか、各車両の荷物置き場や出入り口部分への防犯カメラの設置や、荷物置き場に盗難防止用の鍵が設置されるなど、セキュリティー面にも配慮された車両となる模様です。
JRがこのタイミングでE259系を導入する背景のひとつには、2011年に登場が予定されている京成新型スカイライナーへの対抗ということもあるかもしれませんが、車両的には少なくともシートが改善されることだけでも十分に対抗できそうなうえ、それ以外にも非常に優れた面が多く感じられ、むしろ京成側が新型スカイライナーを導入するにあたってかなり参考にしそうなぐらいの車両と言えるかも知れません。
問題は料金と所要時間ですが、料金のほうは北総鉄道や成田新高速鉄道経由となることで京成側もかなり値上げされる公算が高く、またたとえ所要時間で有利に立ったとしても京成の都心側ターミナルが相変わらず不便な日暮里や京成上野な限り、都内各所や神奈川、埼玉方面と直結する成田エキスプレスの乗客が激減するようことはまずあり得ず、これまで通り居住地等による利用客の棲み分けが続いていくものと思われます。
ともあれ、座席が最悪の253系にはまだ乗ったことがなく、当方の居住地からして成田エキスプレスを利用する機会はほとんどないものの、E259系なら一度は乗ってみたいという気にさせられる魅力が感じられます。
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