
6月12日午前10時15分ごろ、京成青砥駅に進入中だった京成高砂発羽田空港行きの北総鉄道7818編成7両目7812号車の後部台車が脱輪しました。
速度がそれほど出ていなかったこともあり、負傷者がひとりも出なかったのは不幸中の幸いだったといえますが、おそらくパンタグラフが車体から外れた際、部品がホームや高架下の道路にまで飛び散ったとの話もあり、一歩間違えば大惨事になっていたことでしょう。
脱線の原因については、台車に亀裂が生じたためとみて間違いありません。(産経フォト該当記事)

これほどパックリと割れているとは本当に驚きました。
また、パンタグラフが外れたほどなので、脱線直前にかなりの揺れと衝撃があったことは明らかでしょう。
この該当車両が履いている台車は住友金属工業製のSU型ミンデン式と呼ばれているもので、現在の京成グループでは京成3700形のほか、その京成3700形をリースした車両を含めた北総7300形、さらに同じく京成3700形を千葉ニュータウン鉄道にリースした9800形に採用され、その両数は150両近くになります。
ちなみに住友金属工業製で同類の台車を履いた車両では、SU型の前モデルともいえるS型ミンデン式を採用した東武10000系が、2016年05月18日に東上線の中板橋〜大山間でやはり台車に生じた亀裂により脱線事故を起こしました。
亀裂の発生箇所が今回の北総車両とほぼ同一であることがわかります。

住友金属工業といえば京成グループのみならず大半の鉄道車両の台車を大量に生産してきており、そんな中で亀裂が入った例などごくわずかなので欠陥があるとはいえないものの、亀裂による脱線が高速運転中に発生すると大事故になる可能性もあるだけに、たとえわずかでも絶対にあってはならないことだといえるでしょう。
今回のような亀裂が生じる可能性が少しでもあるとすれば、正直怖くて乗っていられません。
昭和40年代や50年代に製造された初代AE形(現在の3400形)や3500形といったより古いS型ミンデン式のほうが頑丈な造りだったのではないかとも思えるところですが、とにかく原因を早期に究明のうえ、もう二度と台車に亀裂が生じるようなことのないようにしてもらいたいものです。
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