
1986年(昭和61年)3月23日に西武新宿線の田無駅構内で発生した列車同士の追突事故は、今でも決して忘れることができません。
その当日の関東は大雪でしたが、だからといって大昔ならとにかく昭和60年代にもなって、しかも大手私鉄でそんな電車が止まれずに前の電車に追突するなどといった事故が起きようとは考えもしなかったことだけに、当時本当に恐ろしいと思ったものです。(参考リンク)
それからかなり長い年月が経過し、その西武の追突事故を教訓にして他の鉄道事業者でも車両への耐雪ブレーキの設置が進められ、車両自体や保安装置などの性能も格段に向上してきているだけに、たとえ大雪が降ろうとも似たような事故はもう二度と起こらないだろうと思っていたのですが、まさか車両の性能も安全性もきわめて高く、大手私鉄の中でもかなり優秀なイメージが強かった東急で、今の時代に30年近く前の西武とほとんど同じような事故が繰り返されようとは、心底驚きです。
今回事故が発生した東横線といえば先進的なATCを導入している路線という認識がありましたが、そんな優秀な保安装置も大雪が降ると役に立たないケースもあることがよくわかりました。
また、事故を起こした5050系といえばまだ新しい車両で性能がよく、もちろん耐雪ブレーキも装備されていながら、東急側の説明によればその肝心な耐雪ブレーキが「効果がなかった」とのことで、それではなんのために装備しているのかわからないとしか言いようがありません。
幸いにして軽傷者のみで済んだのでまだよかったものの、場合によっては大惨事になることもあり得るだけに、今回の東横線の事故を再び教訓にして、今度こそ大雪が降っても同種の事故が決して起こらないようにしてもらいたいものです。
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