
新京成8000形のトップナンバーとして1978年(昭和53年)に登場した8502編成が、今月18日(水)をもってついに営業運転を終了することが公式発表されました。(新京成公式ニュース)
この編成はそれまで京成からの旧型車や京成色が抜けきれない800形といった同社の車両に独自のオリジナルデザインで新風を吹き込んだと同時に、新京成初の冷房車でもありました。とくにそのユニークな前面スタイルは「習志野の狸」や「くぬぎ山の狸」といった愛称で親しまれ、鉄道ファン79年2月号の表紙を飾ったりもしましたが、制御装置は抵抗制御と従来から進歩はなく、登場時は外装カラーも旧塗色のままでした。
翌79年に増備された2次車の8504編成が新塗色で登場したことにより、8502編成も間もなく同じカラーに変更されましたが、2001年には再度登場時の旧塗色に戻され、さらに側面には新京成のマスコットキャラクターである「しんちゃん」のラッピングがあしらわれ「しんちゃん電車」として親しまれてきました。
この8502編成の旧塗色での運行は当初2001年6月から4年間とされていたものの、結局は再度塗色変更されることなく10年以上も活躍を続け、そのまま廃車されることになったわけですが、鋼製車でありながら途中とくに大掛かりな更新工事も行われずに1978年の登場から34年間も活躍できたのは本当に見事だったと思います。
同じく抵抗制御だった8504編成はすでに一足先に廃車となっているだけに、この8502編成の引退により新京成の車両はすべて界磁チョッパやVVVFの省エネ車に統一されます。また、現在8000形のVVVF化が随時進行中で、間もなく界磁チョッパ車すら消滅し、新京成の車両はVVVF化率100%を達成することになるでしょう。
なお、8502編成はラストランの18日まで「ありがとうしんちゃん電車」のヘッドマークを掲出して運行されているようです。




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