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2019年09月07日

京急の踏切事故について





9月5日に京急電鉄神奈川新町駅の踏切で発生した事故で、管理人はとても見慣れた車両の全部が大きく損傷し、しかも脱線して傾いているニュース動画を見てまずは強い衝撃を受けました。
1年に4度ほどですが京急の泉岳寺から横浜までは乗車する区間なので、そんなところでこれほどの事故が起きたことにも驚きです。





京急といえば丘陵地帯を走行する横浜以遠ではこれまでにも崩れた土砂に乗り上げる事故が何度か発生していますが、大きな踏切事故というのは、少なくとも管理人がこれまで生きてきた時代においては聞いたことがありません。
しかし、個人的には踏切の多い街中を常時100q以上の速度を出して走行している京急で事故がないというのは逆に不思議でなりませんでした。
たとえば、どんなに踏切の安全対策を強化したところで、いきなり踏切に突入してくるようなクルマについては対処のしようがなく、その相手が大型トラックやダンプだったりした場合、鉄道車両側のダメージもかなり大きく、しかも速度を出していればいるほど凄まじい衝撃で、大惨事になることを懸念していたからです。

まぁそんないきなり踏切突入してくるクルマとの衝突というのはめったに起きることではありませんが、踏切がある限り可能性がゼロではないでしょう。
実際、2003年1月23日には京成の大久保-実籾駅間でいきなり踏切に突入したミニバンと列車との衝突事故という前例もあります。
従って管理人としては京急はこれまでつくづく運のいい私鉄だと思ってきました。
しかし、今回はいきなり突入ではなく立ち往生ではあったものの、やはり懸念していた踏切での結構大きな事故が起こってしまったことになります。

今回の事故では踏切内で立ち往生した大型トラック側に過失の大半があるのは明らかで、トラックの運送会社は京急より多額の損害賠償を請求され、経営を続けていくことが困難になることが考えられますが、しかし京急の車両にしても踏切の手前で停まることはできなかったのでしょうか。
まず、どのニュースでもこの区間では快特が120qで走行するということを強調するので、その速度でトラックに突っ込んだと思われる方も多そうな気がするのですが、120qの速度で突っ込んだとすればとても今回の事故程度の被害ではおさまらなかったでしょう。
京急の運転手がどのタイミングでブレーキをかけたのかがまだ判明していないのではっきりしたことは言えないものの、踏切非常警報灯の点灯を確認して非常ブレーキをかけたのは明らかなので、衝突時には速度がせいぜい80q以下には落ちていたのではないかと思われます。

しかし、踏切の手前で停まることができなければ、せっかくの踏切障害物検知装置も意味がありません。
京急では最高速度の120qで走行している車両が完全に停止できるまでの距離を600mとしており、今回事故が起きた踏切でも600m手前では踏切非常警報灯を確認できるようにしてあると説明しているようですが、ニュース番組での現地における検証によれば、ひとつ手前の子安駅から神奈川新町駅にかけては左カーブになっているため、事故が発生した踏切から600m手前に当たる子安駅を少し過ぎた付近からは、警報灯を確認するのは困難であることが判明しました。


従って京急の説明はおかしいことになり、そんな状況では事故発生の踏切までにとても停止できるものではないでしょう。
しかも、警報灯が設置してあるのは左側の架線柱なのですが、もしこれが右側の架線柱に設置してあればもっと手前から確認できたのは間違いありません。
管理人自身かなりリアルなBVE京急線を運転した際の経験からしても、子安駅を発車した後、神奈川新町駅の手前にある通常の場内信号機も左カーブの左側に設置されているので、わりと直前まで確認しづらいと常日頃から感じていたのですが、せめて踏切非常警報灯だけでも右側に設置されていれば、ともすると今回の事故を防ぐことができたかもしれず、京急側にも安全面で若干の抜かりがあったのではないかという気もするところです。


さらにいえば、踏切障害物検知装置とATSなりATCなりを連動させ自動的に速度を落とすようにするかどうかは鉄道会社によって対応が異なるらしく、JR東日本や小田急、東急などではすでに一部の踏切で連動させているようですが、京急では橋の上や火災現場近くなど危険な場所で自動停車させるとかえって乗客に危険が及ぶ可能性があるため、運転手の判断により手動でブレーキをかけるようにしているとのことです。
しかし、連動させていればやはり今回の事故は明らかに防げたことでしょう。
それに連動させても絶対停止ではなく低速で少し動かせるようにすれば問題ないわけで、ここでも京急の説明は言い訳だとしか思ないのですが・・・
今回の事故を教訓にして京急のみならず他の鉄道会社でも連動化が進むことに期待したいものです。

それにしても結構大きな事故で火災まで発生したにもかかわらず、鉄道側の乗員、乗客に犠牲者がひとりも出なかったのは不幸中の幸いでした。
今回は先頭車両が傾いただけで済みましたが、先頭がクハで軽い車両だった場合、完全に転覆してもっと被害が大きくなっていたことも考えられます。
その点では先頭モハにこだわりあえて重くしている京急の安全対策が実を結んだとも言えるかもしれません。
posted by SS at 00:00 | Comment(0) | 京急電鉄関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする