

今月18日、京成より今年度の鉄道事業設備投資計画についての発表がありました。
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京成公式PDF)
そのうち車両関連では3100形8両編成1本(3157編成)が増備され、それによりアクセス特急向けの3150番台は8連7本が出揃うことになります。
📷画像は3151編成・Wikipediaより

また1本だけ残っているアクセス特急向けの3000形3050番台(3056編成)が京成カラーに変更のうえ本線系統へ転用となり、オレンジ色の3050番台が消滅するほか、その代替で残り1本のみとなっている3400形3448編成が運用を終了し、3400形がいよいよ形式消滅となってしまう可能性が高いかもしれません。
📷画像は3054編成・Wikipediaより

📷画像提供:レッドラインさん

そして新形式車両(2代目3200形)の導入に向けて設計を進めることも発表されました。
3000形を長年に渡り増備し続けた京成が、3100形を登場させてからまだそれほど間もないうちに新たな車両を出すというのはかなり意外なことで、同じ関東大手でもう長いこと完全なる新形式車両を登場させていない京急とは対照的のような気もします。
個人的には3100形は他社も含めたすべての通勤型車両の中で外観も内装も申し分なくベストだと考えていますが、ただ唯一時代遅れで残念だと思える点が運転台の計器類がアナログ式なことでした。
3200形ではグラスコックピットが採用されるのかどうか注目されるところです。
なお余談ながら2021年10月31日に発生した京王線の刺傷事件により、車内において事件が発生した車両からなるべく離れた車両への避難を可能とするため、京王電鉄では非貫通編成を2026年度までに全廃する方針を固め、7000系を順次廃車することになりました。
その京王7000系といえば先頭車の前面が左右対称で中央に扉もありますが、幌が装着できないため貫通路にはできず、先頭車同士を連結した場合に通り抜けができなくなるからです。
📷先頭車同士の連結部の通り抜けが不可能な京王7000系・Wikipediaより

他の鉄道会社でも幌が装着できない構造の車両が多いほか、そもそも前面が非貫通だったり左右非対称だとどうしても分割が生じてしまうことになりますが、京成では青電の時代から先頭車同士や先頭車と中間車を連結した場合でも必ず幌を装着して通り抜けができるようにしており、最近では前面が左右非対称で固定編成化された車両が主流になったので少なくはなったものの、現在でも3500形で受け継がれています。
また3600形も3500形と同様に前面スタイルが左右対称で中央に扉がありながら、もともと幌は装着不可能な構造でしたが、先頭車同士を連結する必要が生じた3668編成ターボ君では6連だった頃から幌を装着できるようにあらため、編成全体の通り抜けを可能としました。
🎥レッドラインさん提供による4連の3668編成ターボ君の動画はこちら
関東大手では東武鉄道も京成と同じ傾向にありますが、幌などのメンテナンスや着脱に手間がかかりそうだと思える中、編成内をすべて通り抜けられるようにするというのはとても良心的なことのように思え、現在では保安面でも望ましいことになりつつあります。
おそらく新たな京成3200形も先頭車前面に幌の装着が可能で通り抜けができるように配慮された車両になることでしょう。
それから京成3100形は3150番台のみで、本線仕様の3100番台は出ないのかという謎が残ります。
3200形が登場するのでもう3100形は増備されないと思いがちですが、3150番台のみというのも不自然のような気がしてなりません。
勝手な予想としては、3200形はあまり多くは製造されないのではないかと。
そして3200形による3500形や3600形の置き換えが一段落した後、今度はその時点で初期の車両が就役から35年以上になっていると思われる3700形を、本線仕様の3100形8両固定編成で置き換えていくことも考えられるでしょう。
ただし3150番台とは時代に隔たりがあるため、たとえば先に述べたグラスコックピットの採用など進化している面も多くなるかもしれません。
あとこれは今年度の鉄道事業設備投資計画で発表されたものではありませんが、京成では2024年春に「鉄道駅バリアフリー料金」を導入することが明らかになりました。
これは2021年12月に国が創設した「鉄道駅バリアフリー料金制度」に基づくものです。
かつて駅ホーム上の待合室の設置率について京成は大手私鉄で最低だと報じられたことがありますが、今度は他社に比べてとても進んでいるようには感じられないホームドアの設置率が最低という記事が出てくるのではないかと心配していたところでした。
利用者として料金が上がるのはちょっと手痛いものの、それにより他社に遅れることなくホームドアの設置等が進み、安全性や利便性が向上していくのであれば歓迎すべきことでもあるといえるでしょう。